にんにくの由来や歴史について
にんにくの由来や歴史
にんにく、という食材は一体いつから人類とともに歩んできたのでしょうか?にんにくの歴史はとても古く、昔から人間とともにあった食材の1つになります。
「にんにく」という名前の由来
「にんにく」とは、よく考え得ると不思議な名前だと思いませんか?
語源は諸説ありますが、仏教用語の「忍辱」が元になっているという説が有力です。
昔仏教において、にんにくは欲や怒りを増強させる食べ物として扱われおり、僧侶には食べることが禁じられていたそうです。
そのにんにくを僧侶が隠しながら恥を忍んで食べていたことから「忍辱」(にんじょく)という漢字が当てられ、次第に「にんにく」へと変化していったと言われています。
漢字では食用のユリ科・多年草の意味がある「蒜(ひる)」が当てられれ「大蒜」と表記されます。
にんにくの起源は5500年以上前
にんにくの歴史は非常に古く、はじめににんにくが使われていた痕跡が発見されたのは紀元前3750年です。
エジプト王墓の中ににんにくの粘土の模型が入れられていたことが、古代の書物から判明したと言われています。
またピラミッド建設の際に、玉ねぎやラディッシュとともに、労働者ににんにくが与えられていたという言い伝えもあります。
また紀元前3200年ごろには、古代エジプトを中心に栽培・流通しており、日常生活や長旅の必需品として活用されていました。
当時から、健康維持の食材として食べる目的とともに、防腐、消臭、傷薬などさまざまな使われ方をしていたそうです。
今から5000年以上も前のことなのでこれら歴史の真偽は不明ですが、いずれにしても、にんにくが貴重な野菜・植物であったということは間違いないでしょう。
日本での「にんにく」の歴史
にんにくがはじめに日本に伝わったのは、紀元前30年に没した第10代崇神天皇の時代と言われています。
朝鮮からの渡来人が日本に運んできたのが初めてという説です。
古事記や日本書紀といった有名な書物にも、にんにくの利用法などが登場していると言われますが、これらが正確な史実かはわかっていません。
ただ、平安時代中期に作られた源氏物語の中には、間違いなくにんにくが登場しています。
恋にまつわる物語の中で、「昼」と「蒜(ひる)」をうまく掛け合わせる形で歌の中で読まれています。
そして江戸時代に入ると、風邪薬として重宝されたりすりおろして調理に利用したりといった本格的な使われ方がされ始め、徐々に日本全土に広がっていきました。
今では日本でも当たり前のように食べられたり栽培されたりしているにんにくですが、このようにユニークな名前の由来や深い歴史があることもぜひ覚えておいてください。