にんにくの神話
にんにくの神話・逸話
にんにくに限らず、食材にはさまざまな逸話を持つものが多いですね。
にんにくの逸話の中で一般的に浸透しているのは、やはりハロウィンなどでも人気のあのモンスターにまつわるものでしょう。
世界のにんにくの神話・逸話
「バビロンの空中庭園」にも記録が存在
にんにくは、世界最古の文明の発祥地であるバビロニアの首都において栽培が行われていた、という記録が残っています。
しかもただの栽培方法ではなく、空中庭園で行われていたと言われています。
皆さん、馴染みのジブリ、あの「ラピュタ」のモチーフとなった庭園ですね。
実際に空中に浮かんでいたわけではなく高台に作られた庭園ですが、「バビロンの空中庭園」と言えば、世界七不思議の1つに選ばれるほど世界的に有名で長く伝承されている建造物です。
そんな場所で、今では私たちの生活で当たり前に存在するにんにくが栽培されていたと聞くと、どこかファンタジーな感じがしないでしょうか。
魔除けとして「にんにく」はヨーロッパでも有名
さらにヨーロッパにもにんにくに関する逸話があります。
にんにくは魔除けとして効果があるという言い伝えがあり、吸血鬼ドラキュラを追い払う野菜として信じられてきました。
これに関しては、「にんにくの強い臭気を嫌がって近づかない」、「部屋や首に吊るしておけば魔除けになる」といったさまざまな説があります。
中には、当時の宗教上の理由や政治的な理由からにんにくがドラキュラの魔除けに使われるようになったという説もあるため、深く調べるともっと面白い逸話が出てくるかもしれません。
また、メキシコでは悪い男除けの効果があると言われています。
しつこい男が歩く道ににんにくを置いてその近くを歩かせれば男は女性に近づかなくなる、という言い伝えがあるそうです。
日本のにんにくの神話・逸話
日本では712年に天皇に献上された日本最古の歴史書「古事記」に、にんにくが関わる神話が登場します。
現在の神奈川県と静岡県の間にある足柄山での話です。
日本の皇族であったヤマトタケルという人物が、足柄山を超える際に悪さをする鹿に化けた神に遭遇し、それを蒜(ひる)で打ち殺した、と記されています。
ただし、蒜とはにんにくではなく野蒜(のびる)の可能性が高いとも言われています。
また、日本最古の正史と言われる「日本書紀」にもこれと似た逸話があります。
長野県と岐阜県の間にある神坂峠での話です。旅人が鹿に化けた悪い神と遭遇し、それを蒜(ひる)で打ち殺したそうです。
そしてそれ以降、蒜を体に塗っていればその峠では悪い神に遭遇しなくなった、という逸話が記されています。